海外に長期滞在中、外国の美容師に担当してもらったらすごく時間がかかったり、全然思った通りの髪型にならなかったという話はよく聞きます。なぜ海外のサロンでは失敗しやすいのでしょうか?
美容師は、カットの技術を身に着けるまでにかなりの経験(※)を積んで一人前のスタイリストとしてデビューします。
ですので、欧米系のやわらかくコシのない髪質で経験値を重ねてきた海外の美容師が、日本人の太くて固く、膨らみやすい髪質をカットすると、膨らみやすさ(=まとまりの悪さ)を抑えれなかったり、カットラインがガタガタに仕上がってしまうケースが多いようです。
(※)美容師は一人前のスタイリストになるべく日々のトレーニングを積み重ねます。その期間を経てスタイリストとしてデビューしますが、そのトレーニング期間でウィッグ(練習用の人形)で切り方の基礎を学び、50~100人以上の髪を切って、その人その人にあった適切なスタイルの作り方を身につけます。サロンによって異なりますが、B-dash AVEDA,B-Prime AVEDAでも美容師の仕事の重要さを考えています。
外国の方の髪質は薬剤に強くダメージを受けにくい髪質で、日本人の髪の毛は傷みやすい髪質です。
外国人の髪質はパーマがかかりにくく、薬剤にも強くできています。これは、欧米人に限らず同じアジアでも、大陸系の方ではかかりにくい場合が多くあります。ヘアカラーについても、外国の方は何回ブリーチしても傷みにくい、もしくは傷みが目立ちません。
逆にいうと、それらの髪質を対象に作られている海外の薬剤で日本人の髪質に施術を行ってしまうと、スタイルを作るよりも、ダメージが目立ってしまったり、逆にまとまりが悪くなってしまいます。
これには時代の流行もありますが、基本的にさきほど書いたように、欧米系の髪質は細くコシがない、逆に言うとボリュームが欲しくても出しにくい髪質なのです。しかし、映画やメディアで見る時にはかなりゴージャスなスタイルで、ボリュームが出て見えていると思います。結果、ボリュームを抑えたい日本人が海外のサロンで外国の美容師にカットをしてもらっても、「ボリュームがあっていいじゃない」となります。もしくは、「美容師の私としてはコレが個性的でいいと思うわ」で終わってしまいます。
セレブご用達のスタイリストは、世界中からお客様が来るので、アジア人の髪の毛にも慣れてる方がいます。
色々と書いてきましたが、決して日本と海外とで技術力の差があるのではなく、あくまで個々の技術力の差であって、経験値や技術力の差でしかありません。
国際的なファッションの場でトップスタイリストとして活躍する美容師には、人種を問わず様々な国の美容師がいます。その中で日本の美容師として言えることは、日本では美意識の高いお客様に多いので、必然的に提供する技術、サービスも高くなっています。日本人の髪の毛を扱うのが世界一上手なのは、日本人でしょう。
これらの理由から、海外在住の日本人の方が髪の毛を現地で切りたければ、日本での経験の長い日本人の美容師に切ってもらうか、同じアジア系の美容師で日本人の髪の毛を扱い慣れている方のほうが無難でしょう。
また、「サービスの提供」にこだわる気持ちは日本が一番高いとも言われています。気持ちの良いシャンプーを期待するのであれば、日本のサロンで間違いはないでしょう。