ヘアカラーをしても髪が赤くなってしまう。という方も多いのではないでしょうか。
美容室でヘアカラーを行う時の要望として「赤くなるのが嫌だ」という声を聴きます。
なぜ、髪を染めても赤くなってしまうのでしょうか。
まずは、ヘアカラーの事を簡単に説明してみます。※【ヘアカラー剤の染まる仕組み】でも記載しています。
髪の毛の色は、持っているメラニン色素の量で決まります。
ヘアカラーを施した場合には、そのメラニン色素とカラー剤の染料が合わさることで仕上がりのヘアカラーになります。
メラニン色素が多い黒髪の状態に染料を入れても、メラニン色素の色に負けて、入れた染料が意味を成しません。なので、カラー剤を塗布すると、メラニン色素を分解しつつ、染料を入れるという作用が行われます。
人がもともと持っているメラニン色素は、長時間の紫外線や海水、塩素などの強い刺激にさらされた場合に髪のダメージとともに失われていく事もありますが、基本的には失われることは少ないでしょう。
一方、カラー剤の染料は、髪の毛の隙間から入れ込まれ、化学反応によって構築されていますので、何かの刺激で分解されたり、洗う事によって髪の毛の隙間から流れ落ちてしまいます。これを「退色(タイショク)」と表現します。
退色、つまり染料が抜け落ちてしまうと、メラニン色素のみになってしまいます。では、黒髪になるのかといえば、そうではありません。先ほど記述したように、カラー剤の色を見せるために、メラニン色素の一部は分解されていますので、薄まった状態になります。
メラニン色素が多くて黒いなら、薄まると灰色?ということでもありません。
メラニン色素は黒褐色と黄褐色の2種類があり、簡単に言うと、それらがものすごく濃く混ざっているから黒く見えている。ということです。※余談ですが、厳密には「黒」という色はないそうですね。色がない状態が、「黒」または「白」です。黒インクもものすごく濃い青や赤であったり、印刷の黒も各色が混ざりすぎて色がつぶれた状態なのです※
髪の毛の色も、分解されやすい青みから欠けていき、残りやすい赤、黄の要素が強く出ます。
これこそが、赤くなってしまう理由です。
では、どうしたら赤は消せるのでしょうか?
しっかりとブリーチをして赤みをとり黄色に近づけるのが一番です。
ブリーチをしないで反対色の色で赤みを抑えることもできます。
絵具と同じで赤色を消したい時には補色と呼ばれる緑を混ぜると濁るのと同じ方法です。
補色は赤に対して反対の色である緑を混ぜます。この場合を極端な言い方をすれば濁った赤になります。違う方法として、赤に青を混ぜれば紫になります。または、黄色を混ぜれば橙(オレンジ)になります。
このように、赤みを消す方法はいくつかありますが、髪質はひとそれぞれで、赤みの強さも異なります。今までどんな施術をしていたか、前回は何色で染めていたのかによっても、仕上がりに違いが出てきます。
今、各ヘアカラーブランドでは、より赤みのない表現をできるような開発がすすんでいます。
AVEDAのカラー剤にも、ブルーブルーという強い青みのカラー剤やグリーングリーンという強い緑みのカラー剤があります。
しっかりとスタイリストと相談して、自分にあった方法で理想のヘアカラーを楽しんでいきましょう。
色落ちを予防することも大事ですので【カラーの色はなんで落ちてしまうのか?】も参考にしてください。