パーマがとれやすい髪にパーマをかけるには様々な対処法があり、とれやすい原因や髪の状態にあわせて対応します。
【パーマがすぐにとれてしまうのはなぜ?】という記事で上げた、次の3つに合わせて説明をしてみたいと思います。
1.パーマが髪の芯までかかっていない
2.ダメージが進行しすぎている
3.カールを保つコシがない
今までより効率よくタンパク質のつなぎ替えが出来るように、薬剤を変えます。この際、単純にハイパワー(還元力やアルカリの強さの事)の物にするという選択肢も確かにありますが、今までのパーマ液(医薬部外品)が苦手としてきた性質の部分(髪の毛の質によって、薬剤に対する反応が違います【パーマはなんでかかるのか】参照)にも働きかけられる薬剤の登場など、化学的にも進化してきています。なのでこういった薬剤の特性を髪質と照らし合わせて使用していきます。
戻ろうとする力が強い場合、すぐにカールが弛んでしまいますので、なりたいスタイルよりも気持ちしっかりめにカールを作ります。
(この場合のしっかりとは、パーマをかけるために巻きつけるロッドという円筒状の器具のサイズを小さくするという意味です)
パーマをかけた当日、美容室の帰りにはちょっとかかりすぎかなと感じるかかり具合です。施術の翌日以降は、ご自宅で通常通りにシャンプー、そしてドライヤーをかけて頂くと思います。その際の物理的な引っ張りや、シャンプー剤などのアルカリ成分(お使いの製品にもよります)により、不安定だったカールの繋がりが多少弱まります。
その、カールが弛んで弱まった状態が希望のパーマスタイルになるように、当日はちょっとかかり過ぎたかもと感じても、数日~一週間くらいでちょうどいいカールになるような目安でパーマをかけさせていただくこともあります。
いわゆるデジタルパーマなどのホット系パーマ(【デジタルパーマと普通のパーマの違いは?】参照)や、加湿や温度変化などの時間を設けることでより安定したウェーブにすることができるクリープパーマ(【クリープパーマってなに?】参照)など、工程に工夫を凝らすことでより安定した、とれにくいパーマをかけることができます。
または
(パーマを再現できるだけのコシがない場合(ハイダメージ毛または元々ペタンとした髪質)
パーマの仕組みとしては、髪の中に存在するタンパク質をカール(縮毛矯正などであればストレート)の形状につなぎかえるものです。けれども、この変形させるべきタンパク質が過度のダメージにより流失してしまっていることがあります。またはダメージはそれほどないはずだけれど、元々の髪質で髪のコシを生み出すタンパク質が少ない方などがいらっしゃいます。
こうした場合、内部修復力の高いトリートメント(前処理剤や中間処理剤)を使用して、外部からタンパク質を補いつつカールを形成していくことになります。その上で、薬剤の選定をしっかりと見極め、普通のパーマがいいのか、ホット系のパーマがいいのかを選択します。
この場合は、外部からタンパク質などを補ったとはいえ、タンパク質が流出してしまいやすい状態にあるので継続してのダメージケアも重要になってきます。
健康な髪であっても、ダメージのある髪でも「パーマがとれやすい」髪の方の場合、乾かし方もかなり重要です。カールの作り方や、なりたいスタイルのイメージにそって乾かすことも再現性につながる大事な要素です。
「パーマのかかりにくい髪」の方は確かにいらっしゃいますが、技術や方法によっては十分対処ができるようになってきています。ぜひ一度美容室で相談してみてください。