円形脱毛症とは、突然髪の毛が抜ける。10円はげと聞くように、まわりは毛があるのにごっそり一部分の髪の毛が抜けてしまうことです。円形脱毛症には前兆があります。
・抜け毛が増えた。分け目や地肌が目立ってきた。シャンプー後やブラッシング後にいつもより抜け毛が多い。円形脱毛症は始まる予兆があまりなく急に始まるケースがほとんどですが人によっては、かゆみなどがあり、赤くなってから脱毛が始まったという方もいます。
円形脱毛症が進行すると、簡単に毛が抜けやすくなります。軽く引っ張るだけで抜けたりします。治るときは脱毛箇所から短く柔らかい毛が生えてきます。徐々に太くしっかりした毛になっていきます。
円形脱毛症になってしまう原因は今まで様々な原因が考えられていたのですが近年になり「自己免疫疾患」が原因として考えられています。
自己免疫疾患とは、私たちの体には、外部からの侵入を攻撃して守ってくれる免疫系機能に問題が生じ自分の体の一部を異物として攻撃してしまう病気です。
円形脱毛症の場合は、Tリンパ球が毛根を異物と判断し攻撃し毛根が傷ついて髪の毛が抜け落ちると考えられています。ただ、なぜTリンパ球が異物と判断してしまうかという原因はわかりません。
精神的ストレスを感じると体がストレスと戦うために交感神経の動きを活発にします。この時に精神ストレスが強すぎたり長くストレスを感じると交感神経に異常が起こり血管が収縮し頭皮への血流が悪くなります。血流が悪くなると頭皮への栄養がうまくいきわたらなくなり抜け毛が始まると考えられています。
円形脱毛症の40%の方がアトピー素因(気管支炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎のどれか)を本人もしくは、家族が持っていると考えられています。
中国の調査で円形脱毛症患者の8.4%に家族の中でも同じ病状を抱えている人がいると報告されました。
ほかにも、出産や産後をきっかけに円形脱毛症が始まるケースもあります。妊娠中はホルモンが増加し、出産を終えると一気に通常に戻るため増えた髪の毛が一気に抜けます。多くの方は産後脱毛で終わるのですが、この時にストレスやアトピー症状がある方はひどくなってしまう場合があります。
円形脱毛症と言ってもたくさんの種類があります。
500円玉くらいの円形で2~3センチほどの大きさです。円形で一番多いタイプが単発型の円形です。自分が気付かないうちになっていて治っていたというケースもあります。約8割の方が一年以内で治ります。
円形の箇所が一つではなく、二か所以上ある場合は、多発型といいます。このタイプは治っては他の箇所に出来るというのを繰り返しやすいです。
ひどい場合には、複数の円形が結合し大きくなり、髪の毛がほとんど抜けてしまうこともあります。
約三割~五割りの方が一年以内に毛髪が回復します。
特殊なタイプの円形で、後頭部や側頭部の生え際に沿うように円形が帯状につながっていることを言います。症例は少ないため治療方法が少ないのが現状です。そのため、治療が長引くことが多いです。
全体の髪の毛がほとんど抜け落ちてしまう病状を全頭型と言います。治るのには時間がかかり長期化する場合がほとんどです。
髪の毛だけではなく、まつ毛、眉毛、全身の毛が抜け落ちてしまう症状です。円形脱毛症が進行し重症な状態です。
回復するのはとても難しく、治療に時間がかかります。