一般に、美容室で使用されるパーマ液の多くがアルカリ性のものです。これはパーマをかけるための成分を髪の内部に浸透させて作用させるために、アルカリ剤が用いられているためです。
アルカリ領域にあるパーマ液でもコスメパーマやクリープパーマ、デジタルパーマなど様々な薬剤や手法があり、「なるべくダメージさせない」、「ダメージしていてもかけられる」パーマが近年特に主流になってきました。
それでもダメージが蓄積しすぎて、本当はパーマをかけたいけれど躊躇したり、美容室で断られてしまったりしたことはありませんか?
上記のような「断られてしまう」ようなハイダメージの髪にかけられるように開発されたのが「酸性パーマ」です。
髪はもともとは弱酸性で、その状態であることが最も安定してダメージを受けにくい状態です。【髪には弱酸性がいい?参照】
ダメージの蓄積した非常に繊細な扱いの求められる髪(ハイダメージ毛)に対し、弱酸性領域のままで薬剤を作用させて、余分な負荷をなるべく与えずパーマをかけていくのが酸性パーマです。
ハイダメージの髪はアルカリ性の状態に耐えられる余力がなく、薬剤を作用させられる時間を置くことが出来ません。
なので弱酸性(髪が安定していられる状態)のまま、ゆっくりとカールを形成する成分を作用させていくことになります。
ここでもトリートメントや処理剤を併用して髪に外部から栄養を補給しつつ、スチームなどを使用して薬剤の浸透を促したりしながらかけていきます。
ハイダメージの髪にはすでにパーマをかけることが出来るタンパク質が少なくなっており、水分や脂質といったツヤや弾力をつかさどる成分も流出して不足しています。これらの残り少なくなってしまった成分を(たんぱく質・脂質・水分)補給しつつ、かつこれ以上失わないような工程が必要となります。
・引っ張っただけで切れてしまう。
・カラーをしてもすぐに色が抜けてしまう。
・毛先だけ金髪みたくなってしまう。
・パーマをかけても乾かすとテロテロでウェーブがでない。
・何度も縮毛矯正やパーマ(デジタルパーマを含む)を繰り返している。
・濡れていると絡まりがほどけない。
といった状態の髪質に酸性パーマが向いています。上記のような状態の髪すべてにかけられるというわけではありませんが、従来のパーマよりは対応が可能になっています。ただし、なんとかパーマをかけられたとしてもそれが美しく見えないようであれば、やはり美容師としてはお勧めしないケースもあると思います。
どんなスタイルを求めているのかをカウンセリングでしっかりと相談して、納得して選択するのが一番かと思います。
まずは状態をみつつどんなスタイルがいいのか美容室で相談してみましょう。
【パーマがとれやすい髪にパーマをかけるには】こちらもぜひ参考にしてください。