フケとは頭皮表面の角質が剥がれ落ちたものです。
医学的用語では「頭垢(ふけ)」、「頭部粃糠疹(とうぶひこうしん)」と言われます。頭皮の何らかのトラブルにより正常なターンオーバー(皮膚細胞の新陳代謝)のサイクルが狂って、角質が目で見えるサイズで剥がれ落ちているものです。
顔や身体などほかの部位の皮膚と同じように、正常なターンオーバーにより角質は少しずつ剥がれ落ちていますが、通常であれば非常に細かく、目で確認できるようなサイズではありません。
フケが生じるようになると、見た目に不潔であることに加え、かゆみによる不快感、さらに髪への影響などが出てきます。
フケには「乾性」と「脂漏性」のフケがあります。
白っぽい色で比較的細かくさらさらしています。
「乾性」のフケは頭皮の乾燥に起因することが多く、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、乾燥・敏感肌の方に多く見られます。
頭皮のべたつきはもちろんですが、菌の繁殖や免疫力の低下が原因であることが考えられます。「脂漏性」のフケは比較的黄色っぽくべたつきが感じられます。また脂漏性のフケの場合、1センチほどの大きなフケが落ちることもあります。
「乾性」と「脂漏性」のフケでは原因が異なるため、対処法も治療法も異なってきます。
フケが気になり始めてすぐに病院に行かれる方は少ないかもしれませんが、病院の治療でも(皮膚科)乾性か脂漏性か、そして原因は何かというところから治療が始まるようです。
適当に薬を塗るのは避け、治療として対処したい場合には、しっかりと病院に行きましょう。
とはいえ、まずは家でなんとか改善を試みる方が多いかと思います。次のようなことに気を付けてみてください。
シャンプーの脱脂力や刺激が強すぎると、皮脂がとられ過ぎて乾燥してしまいます。脂漏性の状態なのに、強い洗浄力で急激に乾燥させられると逆に皮脂の分泌が高まる可能性もあります。どちらにせよ強い洗浄力は必要ありませんので、適切なシャンプー剤を選ぶことが大事です。
日に2回以上など洗いすぎていたり、フケを落としきってしまおうと強くこすりすぎていたりしませんか?
洗いやすすぎが足りていなくて、頭皮に汚れやシャンプー剤が残っていても、乾燥や炎症の原因になります。
乾燥を気にしすぎたり、もしくは面倒くさくて髪や頭皮が濡れたまま(短いから自然乾燥という方も、半乾きという方も)というのも、雑菌が繁殖しやすくなったり皮膚の頭皮にはよくありません。
正常なターンオーバー(新陳代謝)を促すためにも、滞っている血行を循環させ、身体の免疫力を活性化させることも大事です。パドルブラシでブラッシングしたり、オイルを使用して潤いを与えつつ汚れを落とすなどの工夫もできます。
このように、フケはトラブルの前兆ともいえる症状です。ひどい炎症などを引き起こす前に、普段のケアを心がけましょう。
シャンプーを選ぶことはご自分の肌に合う化粧水を選ぶようなものです。特にトラブルを抱えている場合は、洗えればよいという選び方は症状を悪化させてしまう恐れもあります。
また洗いやすすぎが不十分な場合はそれだけでも肌の刺激になるのみならず、そこから菌が繁殖する場合もあります。
頭皮が濡れたままといのは顔を洗ったあと、タオルで拭いていないようなものです。自然乾燥する過程で必要な水分も一緒に蒸発して乾燥が進行してしまったり、湿潤な環境で菌の繁殖を助長してしまうこともあります。
このように「シャンプー→ドライヤー」という過程だけでもすぐにでも改善できる点があるかもしれません。
ご自分にあったシャンプーが見つけづらいようでしたら、ぜひ美容師に相談してみてください。
商品を買う買わないではなく、お客様の健康のためにプロとしてのアドバイスをしてくれると思います。