薬剤や温度変化などによる、還元と酸化を髪の内部で行っています。
髪の毛は大まかに言って、タンパク質・水分・脂質からできています。このたんぱく質の部分に、薬剤を用いて還元と酸化をさせてカール・ウェーブを形成させています。
一般的に言われる「パーマ」は正式には「パーマネントウェーブ」と言われるもので、「パーマネント」は「(半)永久に」を意味します。これはカットしていくことでパーマのかかっている部分がなくならない限りは、パーマがかかった状態が維持されるということです。実際には時間経過とともにウェーブがゆるくなってきますので、なかなか「永久に」とは感じづらいかもですね。「半永久的に」といった方がふさわしいかもしれません。
それなのになぜ「パーマネント」と銘打つのか。そもそもアイロンやドライヤーなどの熱を利用してつくるウェーブがシャンプーしたら元に戻ってしまう「一時的なウェーブ」であるのに対して、薬剤などを使用してシャンプーをしても戻らないウェーブを「パーマネントウェーブ」であるとしています。アメリカで1920年代から行われ始めた技術です。
現代の「パーマ」はお客様のいろいろなニーズにこたえるため、薬剤や技術、器具、機械など多方面に進化してきています。
ただし、大筋の理論として還元・酸化を利用する点では共通しています。
髪の毛が筒状であるとして、その中にはたんぱく質のはしごがたくさんかかっています。
タンパク質は分子レベルで結合しています。この結合をパーマ液の1剤(最初につける液)が還元することで一時的に切断。ロッドに巻き付けられたカールまたはウェーブの状態のときに、無理なく結合することのできる分子同士で再結合させます。この再結合に2剤(最後につける液)が酸化反応を起こさせています。
ここでしっかりと酸化をさせることで安定したパーマをかけることが出来ます。
「パーマをかけた当日ないし24時間はシャンプーしないでくださいね」美容室でパーマをかけると帰りがけにこう言われると思います。これもより安定したパーマにするため、空気中の酸素による自然酸化を図っているためです。
理論的には2剤を反応させることで必要分な酸化は行われていると考えていまが、シャンプーすることで(シャンプー剤の種類にもよりますがシャンプーに含まれる界面活性剤がアルカリ性であることもあるため)一度は安定させた結合が不安定になることを防ぐため。もう一つシャンプー時の物理的な引っ張りや伸びなどで、まだ不安定な状態にあった結合を切らないため。この2つの要因から、出来ればパーマをかけた当日はシャンプーは避けてもらった方がいいとご説明しています。
「タンパク質の結合を切る」と表現すると、何となく髪がダメージしてしまう印象がしますが、一度のパーマですべての結合が切断されているわけではありません。美容室では、求めるスタイルに必要な分の結合だけを切り、また確実な再結合をさせるために薬剤の選定や反応時間の調整をしています。
パーマをかけることでの髪へのダメージをなるべく軽減していく為にも、しっかりとしたタンパク質のはしごが髪の内部に多く存在することでパーマのもちもよくなり、カラーもきれいに染まり、美しく丈夫な髪を維持していくことができます。
ダメージの状態や髪質によってもパーマの薬剤など変わってきますので、ぜひ【パーマがとれやすい髪にパーマをかけるには】も参考にしてください。