白髪染めとおしゃれ染めの違いについては、根本的に同じヘアカラー剤( アルカリカラー )であり、違いはありません。違う点を挙げるとすれば、色味と強さです。
ヘアカラー( アルカリカラー )は、髪の毛が元々持っているメラニン色素を脱色しつつ、染料を入れるとういう二つの作用が同時進行することで、希望の明るさ、髪色にします。
ところが、白髪には「 メラニン色素 」がないので、自然に見せられるくらいの染料濃度とブラウン系の色味がなければなりません。
そうしなければ、例えばレッド系に染めたとすると、黒髪だった部分は残っているメラニン色素と入れたレッド系の染料でレッドブラウンに。白髪だった部分は薄いレッドになってしまいます。
なので、白髪染めのカラー剤はブラウン寄りの色になっているものが多く、オシャレ染めのカラー剤は鮮やかな色のものが多くなっています。
簡単に言うと強さとは脱色力や発色力=アルカリの強さ=負担の大きさです。
白髪を暗くするほどの色の濃さがあるということは、黒髪部分にも同じだけの染料が入ります。それでは黒髪部分が真っ黒になってしまいますので、黒髪が持っているメラニン色素をしっかりと脱色するようになっています。その為の脱色力や色を発色させるためにアルカルが強くなっていて、髪への負担も大きくなります。
オシャレ染めの場合には必要最低限の強さで済ませられるので、髪への負担も少なくなります。
しかし、実は最近のサロン事情では「 白髪染め 」のカラー剤を使わないサロンも出てきました。その理由としては、上記の通り負担が大きい事。そしてオシャレ染めのカラー剤でも明るさ、色味の選び方次第で白髪があっても均一に染まるものが多くなってきたこと。明るい髪色にしておくと、白髪が染まってなくても目立ちにくい事が挙げられます。
(ただし、カラー剤の種類や色味、髪質によっては染まらない場合もありますので、担当の美容師と相談が必要です)
また、「 どのタイミングで白髪染めをしたらいいですか? 」と聞かれることがあります。
お仕事をしていてよく人と会う方や、ママ友と会う方など人と会う機会が多い方は、「 自分で気になったら 」染め時です。
特に女性同士だと、なかなか思ったことでも口にしない事がありますよね。「あ、白髪が生えてる。でも言ったら失礼かな」なんて。
でも、逆に言うと、言わなくてもよく見ていますよね。ですので、気になったら美容師さんと相談すると良いと思います。
「 ずっとオシャレ染めをしてきたし、白髪染めをするのには抵抗がある 」「 白髪を染めたい場合って、暗くしないとダメなんでしょ? 」という方は、暗めの色ではなく少し明るくするのも良いと思います。
黒に近い髪の毛で白髪が生えてくると白と黒のコントラストが強くなり、少し伸びただけで白髪が気になってしまいます。
少し明るめの髪色だと、白髪が伸びた時に差が少なく、気になりにくくなります。
その他にも、一部分が白髪になっている方は、白髪の箇所だけ暗めの色味にして、他はオシャレ染めにするなどの工夫もできます。必ずしも、全部の髪の毛を白髪染めにしなくてもいいので、美容師さんと相談して決めてください。
市販のカラーで白髪染めをすると思った通りに白髪が染まらない、バサバサになった、色が希望の色より暗くなった、逆に明るくなった。などということもありますので、基本的にヘアカラーはサロンで行うことをおすすめします。特に1回でも市販の白髪染めを使用し、暗くなった髪の毛を明るくするのは、髪が傷むのみならず、希望の色に近づけない場合があります。
(こちらももごらんください【黒染めから明るくするのは難しい?】)
きれいな髪の毛を目指すためにも薬剤やプロの方にお任せすると良いでしょう。